旅のアドバイス
気候と服装
赤道直下に位置し、一部の地域を除いてほとんどが湿度が高く一年中気温の高い、典型的な熱帯雨林気候。5月〜10月頃の乾季シーズンは、比較的湿度も低く過ごしやすい。11月〜4月の雨季シーズンはスコールが度々おこり、湿度も高くなる。服装については、基本的に日本の真夏時に過ごすような軽装で問題ないが、ク─ラーの効いた室内や山間部では冷え込むことも予想されるため、長袖も用意しておきたい。
健康管理
年間を通して強い日差しと湿度で熱中症や日射病のおそれがあるため、観光で外を歩く際は帽子を被ったり、こまめに水分補給することを心がけよう。
海外旅行者への健康に関する厚生労働省からの案内はこちら(外部リンク)
マナー
国民の多くがイスラム教徒のため、宗教的な文化背景には充分に配慮したい。例えば、不浄の手とされている左手で握手を求めたり、食べ物をつかんだりしないこと。また、人の頭部は神聖な場所と考えられているため、触れられることを嫌うので、子どもと接する時などは気をつけたい。さらに、モスク等の宗教施設に入る時や、寺院祭礼に参加する際などは、服装についても諸々の制限が設けられることが多い。インドネシアは多民族国家ゆえに、地域によって宗教や文化も異なるため、それぞれのタブーやマナーは事前にチェックするようにしよう。
文化
歴史
インドネシアが多民族国家となったのは、紀元前5世紀頃、中国大陸やマレー半島等からの民族大移動が起こった名残だと言われている。その後インド文化が伝播し、7世紀後半には、ジャワ島やスマトラ島で起こった王国において、仏教・ヒンドゥー文化が栄えることになった。その後様々な小国が割拠する戦国時代を迎えたが、14世紀後半にはイスラム教が伝播し、元々あったヒンドゥー教文化と融合しながら、現在のインドネシア文化が形成されていった。その後大航海時代に入ると、香辛料貿易が盛んだったジャカルタにオランダが東インド会社を設立し、ジャワ島を支配下に置いた。植民地時代は第二次世界大戦が終結するまで続いたが、1949年にスカルノ初代大統領が連邦共和国として独立を宣言し、1950年にはインドネシア共和国として完全な独立を果たした。
伝統芸能
3000以上の民族が存在するというインドネシアでは、それぞれの民族が歴史の中で培った独自の文化が数多く点在している。代表的なものとしては、インドの叙事詩などを題材にした人形の影絵芝居「ワヤン」や、ゴングやガンバン(木琴)などで独特の響きを奏でる「ガムラン」、ジャワ更紗として有名な染色工芸の「バティック」など。長い歴史に裏打ちされた伝統文化が、今も生活の中に根付いて存在している。
美術
インドネシアには、世界に誇る仏教やヒンドゥー教の宗教遺跡が数多く残されている。世界最大の大乗仏教の石造遺跡ボロブドゥールや、ヒンドゥー教寺院ロロ・ジョングラン寺院では、歴史的価値はもちろんのこと、精緻なレリーフや神像の美しさにも圧倒される。その他、ジョグジャカルタやバリ島のスマラプラの王宮遺跡を訪れれば、壮麗なインテリアや天井画に、在りし日の華やかな宮廷芸術がしのばれるだろう。
料理
代表的なメニューとしては、日本でもお馴染みのナシゴレン(焼飯)やミーゴレン(焼そば)、サテ(焼き鳥)など。エスニック料理独特の激辛料理や香辛料が苦手な人にとっても、あっさりした塩味や甘口のピーナッツソースが使われた料理など、メニューがバラエティに富んでいるのもインドネシア料理の魅力だ。地方料理では、スマトラ島のパダン料理が有名。店員が席についたお客のテーブルの上に料理の小皿をいくつも置いていき、お客は手をつけたお皿の分だけ料金を払う、という合理的なシステムになっている。